大河内の家|ふさがれた和室の風通しを回復する
改修前
三方を完全に壁で囲まれ通風・採光の全く無い和室になってしまっています。湿気が貯まり辺り一面カビだらけになったそうです。
光も入らなければ、風も通らない、部屋の環境は最悪です。こんな部屋ではとても人が住めたものではありません。
改修後
開口部を設けて通風を確保しました。新設の開口の向こうには廊下があり、小さいながらも窓がついています。これらを開け放つことで、外気を取り入れることができるようになりました。
新設の建具は、和紙調のアクリル板を入れることで柔らかく光を取り入れることができるようにしています。あいにく新設扉の向こうは北側で明るい採光は期待できませんが、ほんのり透けることで圧迫感を少なくしています。
写真正面の新設扉の両サイドの壁は、新しく耐震壁を設けています。直前のリフォームでは壁にしてあるものの、耐震補強は一切行われていませんでした。
元の住まいの木部は赤い弁柄が塗りで、直前のリフォームでは黒塗りが用いられています。今回は弁柄か黒塗りにしておけば雰囲気が統一できるのですが、「リフォームの跡が分かった方が面白い」という事で、着色せず無垢の木肌(檜)そのままとなっています。