大河内の家|古民家の姿をリフォームで取り戻す
神戸にお住まいになられていた方が畑作業をしながらの田舎暮らしをするために購入された民家の改修です。
実は、この古民家の販売会社がビニルクロスと複合フローリングを用いて綺麗にリフォームを済ませていました。建築主はビニルクロスや複合フローリングではなく、土壁や無垢の木のように自然素材に囲まれた住まいで暮らしたい気持ちがとても強いのですが、古民家の雰囲気がまだ強く残り目の前に広い畑が付いたこの物件がとても気に入られたそうです。そのために、現代的に綺麗にリフォームされていた内装を全て撤去し、古民家本来の姿を取り戻すべく再度リフォームし直すことになりました。そのプロデュースを依頼されました。
この家を良く知るご近所の方のお話では、築150~160年ほどは経っているとの事。雨漏りやシロアリなどの被害もあり、それらの修繕と併せ耐震補強をしながらの改修となりました。
クライアントからの要望は、古民家・田舎住宅・手作り感という雰囲気を重視した、自然素材の家。そして、実験でも良いので、何よりも面白い提案を!との事でした。
セルフビルド
「何でも良いので自分で家を触ってみたい」とのご要望です。コストダウンにも繋がると言うことで、家中の木部全てのオイル掛けをセルフビルドで行なうことになりました。もちろん、使うオイルは自然系のオイルです。
コテを使って壁を塗ってみたいとの要望ですが、さすがに修業を積まれた職人さんのように本格的な漆喰を塗ることは不可能です。そこで、素人でも扱いやすいという石灰クリームのコテを用いての壁仕上げに挑戦しました。すさを混ぜての白い壁を奥様に大変気に入っていただき、珪藻土などの土風の壁になる予定だった「母の部屋」の壁も石灰クリームに変更されました。
ご主人は、セルフビルドにドップリとハマってしまい、楽しくて仕方が無い様子。さらには木工にも挑戦と言うことで、玄関には高級木材「タモ」を利用して、踏み台を作ってみました。
主要諸室の写真とコンセプト(ビフォー&アフター)
工事種別 | 改修(改装:リフォーム) |
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構造・規模 | 木造在来工法・平屋建て (一部2階建て) |
建築場所 | 兵庫県神崎郡 |
基本・実施設計 | '06.01.初~'06.02.末 |
工事期間 | '06.03.初~'06.04.末 |
壁 | 漆喰塗、杉板貼 |
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天井 | 杉板 |
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壁 | 薩摩中霧島壁、石灰クリーム |
床 | 無垢板(桧、松) |