高砂の家|木製建具の使い方の工夫
見るときは開ける - 1枚だけ開ける
写真はご夫婦の娘さんのための個室です。基本的には家具を置かず、全て扉で隠して収納したいとのご要望です。そのため壁一面を収納スペースにし、さらにテレビも収納することにしました。テレビを見るには扉を1枚開けると、その他の収納スペースを隠しながらちょうどTV空間だけが現れます。


ただし、置けるテレビの大きさが限られてきますし、最近増えてきた液晶テレビを壁付けすると奥まりすぎて観れる範囲が限られてきます。
断熱効果のある扉 - 3枚とも開ける
座敷とダイニングを仕切っている扉は、丈夫な中空ポリカーボネート製です。中空加工のおかげで透明仕上げでも完全透明ではなく微妙な透け具合です。存在感は消さずに良い感じに視線を遮っています。また、光は通すので閉め切った状態でも互いの部屋が暗くならず、圧迫感も少なくなっています。耐衝撃強度はガラスの約200倍だそうで、転倒など万が一の場合も安心です。
この座敷はリビングルームなので、ほとんどこの部屋にいらっしゃるそうです。夏の冷房・冬の暖房は効率を考えると、ダイニング空間とは別に運転したいところ。この扉は中空部分のおかげで、ガラスの約2倍断熱性能・保温性能があります。


高さは床から天井一杯になっているので全開放(写真右)にすると、ダイニングと座敷(リビング)は一体になります。
緑の壁 - 2枚開ける
リビング正面にある緑の壁。実は仏間と物入れの扉になっています。ふすま仕上げではあまりにも「普通」で空間までも「普通」にしかねません。より快適なリビング空間を求めて、柔らかく綺麗な緑色の壁に仕上げました。紙壁紙(和紙風)を使い、色が活きるよう扉枠を消しています。


右側2枚を開けると、仏間です。残りの左端1枚分が収納扉です。