豊田流剣詩舞道について

 

 

剣詩舞とは

「吟詠に合わせて、日本刀や扇を持って舞うもの」ですが、そういう簡単な言葉だけでは説明しきれないものが剣詩舞道にはあります。

剣詩舞の歴史

剣を持つ舞は奈良・平安時代にもあったようですが、それは現代剣舞とは異なるものであったと考えられます。詩吟に合わせて舞う現代的な剣舞の歴史は比較的浅く、明治維新の頃、榊原健吉が「撃剣興行」を始めた折、余興として「剣舞」を演じたことが始まりとされています。豊田流剣詩舞道は明治9年に金房冠一郎師が創始された金房流、また早渕流の流れをくんでいます。「舞踊」という言葉がありますが、当流では、剣詩舞は「踊」ではなく、「舞」であると認識して、よりすぐれた舞台芸術をめざして研鑽(学問、技術や道理を深くつっこんで研究すること)に励んでいます。

 


剣舞

勇壮な詩吟に振りを付けて、主に日本刀を持って舞います。力強さや豪快さだけでなく、武士らしい凜とした気迫と風格が要求されます。日本刀を扱いますので、居合の修得も必要です。
 

 

詩舞

漢詩や和歌などの吟詠に合わせて、主に扇を持って舞います。扇なので、女性的な舞いかというと、そうではなく、日本刀の代わりに扇を使っている訳ですから、剣舞と同様の風格が必要です。

 

剣詩舞の稽古

普段の稽古は詩吟のテープを使います。指導者から、手本となる舞いをみせてもらい、それをまねて身体を動かしていきます。何回もしている内に、自然と身体が動いていくようになります。そして、身体の運用(体さばき)の理論を学びより良い動きになるよう稽古を続けます。漢詩の勉強もして、詩の内容とその歴史的背景をよく理解し、詩情豊かな舞いになるよう稽古を続けます。上達すると、さらにその上が見えてきて、つかめそうで、つかめない奥の深さがあります。
 
 


ベルギー、シャルルロア市での初代宗家演舞(1989.11.24)

 

姫路文化センターでの二代目宗家演舞(2010.10.30)

 

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