母系の父の紹介 | ||||||||||||||||
マルゼンスキー 1974年 早来産 鹿毛 父:Nijinsky 母:*シル 母の父:Buckpasser (旧)3〜4歳時、8戦8勝
母の父Buckpasserは、アメリカでトラヴァースS(GT・ダ10F)、ジョッキークラブゴールドC(GT・ダ16F)、メトロポリタンH(GT・ダ8F)、ウッドワードS(GT・ダ9F)など31戦25勝と1〜2マイルのレースを勝ちまくった歴史的名馬。母の父としてもEasy Goah(父Alydar)、El Gran Senor(父Northern Dancer)、Woodman、Miswaki(ともに父Mr.Prospector)などで有名で、「史上最強のブルードメア・サイアー」とも呼ばれている。 父Nijinskyは70年代を代表する欧州の名馬で、史上最後のイギリス3冠馬(2000ギニー、ダービー、セントレジャー)である。他にアイルランドダービー、「キングジョージ」などを勝ち、通算13戦11勝。代表産駒にCaerleon(フランスダービー、ベンソン&ヘッジスGCなど)、*ラムタラ(イギリスダービー、「キングジョージ」、凱旋門賞)など。 現役時代のマルゼンスキーは、ケタ違いに強く、朝日杯3歳Sのレコードは、*リンドシェーバーまで13年間破られなかった大記録。しかし、持ち込み馬の為、当時は「外車」扱いでクラシックに出走することができなかった。主戦の中野渡騎手が「大外枠でいい。賞金もいらない。実力を試すだけでいいから、マルゼンスキーをダービーに出させて欲しい。」と語ったという話は、あまりにも有名。脚の曲がり(外向肢勢)が酷く、唯一出走できる8大レース、有馬記念を前に故障を発生し、引退を余儀なくされた。出走した8戦で、2着馬につけた着差が合計61馬身。 種牡馬になってからは、サクラチヨノオー(朝日杯3歳S、日本ダービー)、ホリスキー(菊花賞)、レオダーバン(菊花賞)といったクラシックホースや、スズカコバン(宝塚記念)、ニシノスキー(朝日杯3歳S)などを輩出。ブルードメア・サイアーとしても優秀で、ライスシャワー(菊花賞、天皇賞・春2回)、ウイニングチケット(日本ダービー)、スエヒロジョウオー(阪神3歳牝馬S)、メジロブライト(天皇賞・春)、プリモディーネ(桜花賞)、スペシャルウィーク(日本ダービー、天皇賞・春、天皇賞・秋、ジャパンカップ)、メジロベイリー(朝日杯3歳S)などがいる。 |
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*セントクレスピン 1956年 フランス産 栗毛 父:Aureole 母:Neocracy 母の父:Nearco イギリス、フランスで6戦4勝。凱旋門賞、エクリプスSなど。 アイルランドでの供用時代にAltessa Royale(イギリス1000ギニー、オークス、アイルランドオークス)を出した。 日本では1971年から供用され、タイテエム(天皇賞・春)、エリモジョージ(天皇賞・春、宝塚記念)などを出した。 父Aureole(「キングジョージ」、コロネーションCなど)の底力と豊かなスタミナを的確に伝え、中長距離で真価を発揮。母の父としても底力を補強して成功を収めた。 |
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*ヒンドスタン 1946年 イギリス産 黒鹿毛 父:Bois Roussel 母:Sonibai 母の父:Solario アイルランドダービーなど、8戦2勝。 1961〜65、67、68年の日本のリーディングサイアー。五冠馬(皐月賞、日本ダービー、菊花賞、天皇賞、有馬記念)シンザンをはじめ、ハクショウ(日本ダービー、朝日盃3歳S)、リュウフオーレル(天皇賞、有馬記念)、ヤマトキョウダイ(天皇賞、有馬記念)、ダイコーター(菊花賞)、アサカオー(菊花賞)、ワイルドモア(皐月賞)、ケンホウ(桜花賞)などスプリンターからステイヤーまでさまざまなタイプを出し、日本の生産界に大きな影響を残した。スピード、スタミナ、底力といった競走馬に必要な要素を確実に伝え、一流の産駒は種牡馬としても成功している。 父Bois Rousselはイギリスダービーなど3戦2勝。St.Simon系中興の祖と称される。 母Sonibaiの母Udaipurはイギリスオークス馬。祖母Ugandaは、フランスオークス、セントレジャーなど。スタミナに満ち溢れた牝系。 |
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*プリメロ 1931年 イギリス産 鹿毛 父:Blandford 母:Athasi 母の父:Farasi アイルランドダービー(1着同着)、セントレジャーなど、15戦3勝。 イギリスダービー、セントレジャーを制したTrigoの全弟。 *シアンモアの後継種牡馬として、小岩井農場が1936年に輸入。 ミナミホマレ(日本ダービー)、タチカゼ(日本ダービー)、トサミドリ(皐月賞、菊花賞)、クモノハナ(皐月賞、日本ダービー)、クリノハナ(皐月賞、日本ダービー)、ハクリョウ(菊花賞、天皇賞)、トキツカゼ(皐月賞、オークス)など、多くのクラシック馬を輩出。直仔は牡馬クラシックには強いが、牝馬クラシックでは意外に冴えなかった。Blandford系のスタミナと和合性の高い底力を伝える。母系での影響力は、いまだに強く、日本の「ステイヤー時代」の代表的存在。 |
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*ダイオライト 1927年 イギリス産 黒鹿毛 父:Diophon 母:Needle Rock 母の父:Rock Sand イギリス2000ギニー、モルコムSなど、24戦6勝。 *トゥルヌソル(初代日本ダービー馬ワカタカ、日本ダービー馬クモハタ、日本ダービー・オークス・菊花賞馬クリフジらの父)の後継種牡馬として、下総御料牧場が1935年に輸入。戦前に輸入された種牡馬としては、唯一のクラシック馬。 三冠馬(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)セントライト、ヒデヒカリ(皐月賞)、テツザクラ(菊花賞)、ハマカゼ(桜花賞)、トヨウメ(天皇賞)、などを輩出。自身はマイラーだったが、スタミナを伝え、日本古来の母系で強い影響を残す。 |
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*シアンモア 1924年 イギリス産 黒鹿毛 父:Buchan 母:Orlass 母の父:Orby モルコムSなど、14戦4勝。 *インターグリオーの後継種牡馬として、小岩井農場が1928年に輸入。 カブトヤマ(第2回日本ダービー)、カヴァナー(日本ダービー)、アステリモア(オークス)、ヤマイワイ(桜花賞)、ロッキーモアー(天皇賞)、ミナミモア(天皇賞)らを輩出。1934年、日本リーディングサイアー。 |
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*ガロン 1909年産 父:Gallinulu 母:Flair 母の父:St.Frusquin 小岩井農場も下総御料牧場も馬産に力を入れていなかった頃は、奥羽種馬牧場が先端をいっていた。その奥羽種場牧場が1912年に輸入した種牡馬。 父Gallinuluは、4年連続など6頭のアイルランドダービー馬を輩出し、1904、05年の英愛リーディングサイアー。 *ガロンは、ナスノ(帝室御賞典、連合2マイルなど24戦17勝)の父。他にアストラルガル=ミナミモア(天皇賞。父*シアンモア)の母、フロリスト=ミナミホマレ(日本ダービー。父*プリメロ)の母、国宝=スゲヌマ(日本ダービー、天皇賞。父*プライオリーパーク)の母らを輩出。 |
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*インターグリオー 1899年 イギリス産 黒鹿毛 父:Childwick 母:Cameo 母の父:Thurio 小岩井農場が1907年にイギリスからフロリースカップ、ビューチフルドリーマー、アストニシメントなどの繁殖牝馬20頭とともに輸入。 父ChildwickはSt.Simonの直仔で、チャンピオンS勝ちなど。 第四ヘレンサーフ=ハクショウ(帝室御賞典など17勝。父コイワヰ)の母、第三フラストレート=マンナ(帝室御賞典、連合牝馬競走など14勝。父*クラックマンナン)の母らを輩出。 |