庫裏
【庫裡】県指定文化財
 通称「庫裡」は、大仲居とも云い、本徳寺の建造物の中では、大広間に次ぐ大きな建物である。本堂、大広間と同様、妻入りの形式を取り、唐破風の玄関を構えている。親亀に背負われた子亀のように、棟には、煙抜が乗り、爾来、本徳寺の表台所であったことを示している。 今でも、厨房・食堂・宿泊所として機能しており、行事のときには、中央のお仏壇に同行が参集し正信偈を称和する。 昭和の緊急修理では屋根換えが為され、老朽化が進んでいた外観が修復された。この庫裡は、獅子口の銘から延享四年(一七四七)に建立された事が知られる。また、修理に際しての巴瓦の調査から、瓦の一部に、室町時代に遡るものが使われている事が分った。恐らく、亀山に移された英賀時代の建物の瓦を流用したものと思われる。