恒屋の家|厨子二階の伝統的民家を新築

建築主のお爺様の代に建てられた母屋を建替える事になりました。周囲には入母屋造りの農家型の民家が多く残っています。

外観

町家でよく見かける2階の天井が低く下屋と大屋根の間の壁が狭い厨子二階(つしにかい)の民家の外観を再現する事が建築主から与えられた絶対条件でした。「厨子二階の見た目がほしいだけなので、2階が使えなくても、実際は2階が無くて天井裏になっていても構わないので大屋根は絶対低くして欲しい」と仰るほど強い要望です。

とは言え、本当に見た目だけのために巨大な空間を無駄にするのはあまりにも勿体無いですし、古い民家のように物置にするとしても2階まで梯子というわけにはいかずどうしても階段を架けることになりこれも無駄が多くなってしまいます。そこで、構造的に工夫をして2階にも居室を確保しました。天井が低くてよいトイレや洗面、キッチンなどを1か所に集めその部分の階高を限界まで低くした分を2階の空間の高さに充てています。

恒屋の家の外観

古民家の中でも町家(商人の家)の雰囲気に近づけるため、純白の漆喰壁に腰板を回しています。腰板も周囲に良く見られる焼き杉ではなく、自然オイル塗りで黒(濃い焦げ茶)を表現しています。2階の窓は予算の関係で漆喰を塗りまわした虫籠窓とはいきませんでしたが、木製の出格子をはめ込むことができました。

インテリアは玄関と座敷はできるだけ田舎の雰囲気を重視しましたが、リビングやプライベートルームは奥様の意見を尊重し田舎の雰囲気を和らげつつ月桃紙と木などの自然素材を利用し素朴ですっきりとした空間としました。

キッチンのカウンターテーブルは桧の厚い一枚板で造られています。階段も全て無垢材で拵えられており、踏み板は桧の厚板、手摺の支柱は解体した住まいのケヤキの大黒柱を再利用し拵えました。

主要諸室の紹介

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建物概要
工事種別新築
構造・規模木造在来工法・2階建て
建築面積116.4 ㎡
延床面積155.6 ㎡ (約47坪)
建築場所兵庫県姫路市
基本設計'08.01.上~'08.07.下
実施設計'08.07.下~'08.09.下
工事期間'09.03.下~'09.11.中
施工会社太田建築

構造材
米松
桧(四寸、一部四寸五分)
土台桧(四寸)

外部仕上げ
屋根和型いぶし瓦
軒天
漆喰 ・ 杉

内部仕上げ
天井月桃紙
月桃紙
パイン ・ 本畳